■旅の概要

DBSフェリーで、鳥取の境港市からウラジオストックへ。
その後、諸事情により、ウラジオストックからイルクーツクまで飛んで、 イルクーツクからエストニア国境まで走行。
滞在期間83日、走行距離約6,300q。

※DBSフェリーについては、別項を参照願います。

■入国審査

ウラジオストック港にフェリーが到着し、フェリーから下船して、2階の出入国管理事務所へ上がる。
荷物はフェリーの船員が一緒に運んでくれる。
フェリーの到着時間が5時間も遅れ、既に夜の21時になっていた為、 入国審査は至って簡単。

何も問われる事も無く、入国スタンプを押されただけ。
その後、税関でも荷物だけX線を通されたけれど、何も言われずに通過。
他の人も特に問われるような事は無かった。

もし時間通りにフェリーが到着していたら、入国審査はもっと時間が掛ったかもしれない。

■出国審査

ロシアを83日滞在後、北西部の都市プスコブから伸びている「A-212」号線を走って、エストニアへ入国。

まずは、ゲートの窓口でパスポートを提示し、 特に何も問題が無ければ、税関へ向かう。
税関では、何の荷物を持っているか質問されるが、 中身を出すような事は無かった。
係官は英語があまり出来ないのオバちゃんだったので、笑顔でスルー。

その後、出国管理事務所で滞在日数の確認などをして、特に質問も無く、出国スタンプを押され、簡単な出国手続きだった。

■ビザについて

旅行会社に全てを一任したので、手間は掛らなかった。
余程の事が無い限り、ビザは取得できるとの事。
旅行会社は複数あるので、インターネットで検索すればヒットする。

ビザを代行取得する代わりに、ロシアの初日の滞在先は指定される。

■レギストラーツィアについて

ロシアは、昔から「旅行する時は全ての行程及び滞在先を決めていないと旅が出来ない」と言われてきたけど、現在は違う。
ビザを旅行代理店に依頼する時も工程や滞在先などは提示する必要は無かった。
ただ、入国72時間以内に滞在登録はした方が良いとの事。

ウラジオストックのホテルの受付の人に「滞在登録(レジストレーション)をしてほしい」と言ったら、入国カードの裏にホテルのスタンプを押されただけだった。
それで大丈夫なようで、出国の時には何も問われる事は無かった。
旅行代理店が言うには「大都市には必ず高いホテルに滞在し、 レギストラーツィアをして方が良い」との事だけど、自分は何もせずにロシアの旅を終えた。

ただ、都市で滞在した安宿のレシートは何かがあった時の為に、保管はしておいた。
過去にロシアを旅したライダーもレギストラーツィアはせずに宿に滞在し、 旅を終えている。
勿論、道中、警察などの尋問の際も何も言われなかったとの事。

ただ、もしもの時の為に、 宿のレシートは保管しておいた方が良いかもしれない。

■言語

シベリアではロシア語のみで、100%英語は通じない。
ウラル山脈を越えると、若干英語を話せる人が多くなるが、それでも少ない。
ホステルの受付は英語を話せる人が多いが、ホテルの受付はロシア語のみ。

■ロシア人

親日国家と言うだけあって、「日本人」と言うと色々とやさしくしてくれる。

また、道を聞いても、丁寧に教えてくれて、親切な人が多い。
しかし、店やレストランなどの店員は、愛想が無く、かなり態度が悪い。
勿論、中には態度の良い人もいるが、かなり稀。

■銀行

PLUSマークのあるATMで、シティバンクのカードを使って、 ロシア通貨「ルーブル」を引き出す事が出来る。

全国を網羅している「シビル・バンク」でいつも引き出していた。
しかし、最大5,000ルーブル(約15,000円)しか下す事が出来なかったのがネック。
ゆうちょ銀行のカードも使って、現地通貨を下す事が出来るとも聞いた事がある。

このマークが「シビル・バンク」


■滞在

★宿(ガスティーニッツァ)

ロシア語で、ホテルは「ガスティーニッツァ」、 ホステルは「ホステル」で通じる。
大都市に行けば、ホステルはドミトリー1泊450ルーブル(約1,500円)から泊まる事ができる。
ホステルはBookin.comなどで検索し、事前予約が可能。

小さな街やハイウェイ上にもガスティーニッツァはあるので、 1泊600ルーブル(約1,800円)から泊まる事が出来る。

カフェ(レストラン)と宿が併設しているので便利。


ホステルだったら、部屋若しくは建物へ自転車を置く事は出来るけれど、 ホテルでは100%部屋に置く事は出来ない。
そのため、自転車を駐車場に置くための追加料金150ルーブル(450円)ほど掛る場所もある。
その際には、ワイヤー・ロックなどで鍵を掛けるのは忘れない様に。

★キャンプ場

キャンプ場らしき標識を数回見たが、キャンプ場は見当たらなかった。
100%無いと考えた方が良い。

★野宿

必ずハイウェイから見られない場所で張るのが鉄則で、車や人の痕跡がある場所は避けた方が良い。
ロシア中部は、畑が多くなるので、野宿場所を探すのが大変かも。
キノコや野イチゴなどを採取して、路上で売っている人が多い場所もあるので、 それらの人の見つからない様に、野宿場所に入る方が良い。

ノボシビルスクからウファ(ロシア中部)の区間は、とにかく蚊が多い。
野宿する場合は、大量の蚊に囲まれるので、虫除けスプレーは必須。
顔・首、手足に吹きかけて、林や畑(野宿場所)に入れば、 周囲に飛んでいるだけなので、特に気にならない。

何故か、ウラル山脈を越えると激減する。
虫除けネット(被るタイプ)を持っていたけど、一度も使わなかった。
また、白樺林の中は、絶好の野宿場所だけど、毛虫がたくさん居るので、気持ちが悪い人は避けた方が良い。

所々に松林があるので、そこは毛虫も蚊も少ないので、 一番野宿がしやすかった。

★スタヤンカ

ロシア語で「駐車場」を意味し、 トレーラーのドライバーが仮眠出来るスペースがハイウェイ上に点在している。
一度も使った事は無いけど、ここでテントを張るのも手かもしれない。
場所によっては、柵で囲まれていて、守衛が居たり監視カメラが回っていて、 安全性は高そうだけど、日陰が無いので、夏は厳しそう。

塀に囲まれていて安全性は高そう


■地図

アトラスの地図が一番良い。
自分はイルクーツクの土産物屋で購入。
ロシア以外、バルト三国、ウクライナ、ベラルーシ、〜スタン系の国もカバーしている。



■水

ウラジオストックで滞在したホステルのシャワーの水がかなり鉄の臭いがしたため、生水の飲用は止めた方が良い。
その後、数回、シャワーの水が鉄の臭いがしたホテルががあった。

水は1〜2Lで買う事が出来、値段は2Lで40ルーブル前後 5Lで50ルーブル前後。
炭酸入りと炭酸無しがあるので、間違えない様に注意した方が良い。
店員もどっちが間違える事があるので、要注意。

店やガソリン・スタンドによっては、炭酸入りの水しか置いてない場所もある。

5Lの水はコストパフォーマンスは最高


■食事

ロシア語でレストランは「カフェ」と言い、そこで食事をする事が出来る。
ボルシチは70ルーブル(約210円)から、ピロシキは30ルーブル(90円)からと言った感じ。
量がかなり少ないので、腹を満たす場合、かなりの量を食べる事になってしまう。

これはピロシキ


こちらはボルシチ


■インターネット事情

都市部でのインターネット・カフェは殆ど見つからない。
ホテルでは、Wifiは完備していたり、していなかったり。
ホステルはWifiが100%完備しているので、ノートPCを持っていれば便利で、速度は全体的に速いと感じた。

■店

食料品店(マガジン)で、パスタ、米(長・短粒米)、パン、野菜、ハム、チー ズ、ビスケット、缶詰類は入手可能。
大型スーパーは、ウラル山脈を越えてから見るようになった。
場所によってはスーパーで醤油、味噌、海苔、日本米なども買う事が出来る。

魚を燻製したのが多く売られている


ロシアでもイクラが売っているが、味はイマイチ


味噌も売っていた


ロシアは、日本食ブームのよう


普通の短粒米も売っている。


■自転車屋

大都市部ですら、自転車屋は一度も見た事が無かったが、モスクワには行けばあるかもしれない。
スポーツ用品店である「スポーツマスター」で、MTBルック車が売っている程度。
パーツはタイヤ、スタンド、グリップ、ヘルメット、各種ウェアなどのみで、駆動系及び車輪系
パーツの入手はほぼ不可能と考えた方が良い。

各種都市にあるスポーツ用品店である「スポーツマスター」


■キャンプ道具

上記「スポーツ・マスター」で、テント、寝袋、銀マット、ガス・バーナー、 カートリッジ(共にメーカー不明)は入手可能。
MSR・プリムス・コールマンなどの有名ブランドの道具は入手不可能と考えた方 が良い。

ブランドを選り好みしなければ、一通りは揃える事が出来る


■路面状況

7:3の割合で悪く、ひび割れ、継ぎ接ぎは当たり前で、深い穴が普通に開いているので、突っ込まない様に要注意。
シベリア横断道路も完成してから、年月が経過しているため劣化しており、 かなりガタガタで路面状況が悪い。
その為、各地で道路工事をしているので、路面が悪い個所も多い。

知らずに突っ込んだら、リムは確実に破損するレベル


シュワルベのマラソン・プラスを履いていたが、 6,000qで後輪の溝は無くなってしまったほど、減りが早い。
他のタイヤを使う場合は、スペア・タイヤは必携。
シベリア横断道路以外は、ほぼ未舗装路で、地図上には道路として描かれているものの、 実際は「車の轍のみ」と言うのがシベリアでは多く見かけた。

約5,000q走行で、このタイヤの減りは早すぎる


■交通事情

交通量は全体的に多く、6:4でトレーラーが多く、後を確認できるミラーは必須。
都市部では、運転マナーは悪いので要注意。
しかし、自転車で走っていると、かなり親切に避けてくれる。

ハイウェイ上では、多くのドライバーはクラクションを鳴らす様な事は稀で、 反対車線に出て、追い越してくれる。
しかし、時々、ギリギリを走っていく車もあるので、油断は出来ない。
ちなみに、傾斜率が表示された標識があるけど、その数値は信憑性が低い。

■気候

ベスト・シーズンは、5月末から8月末ぐらい。

5月のイルクーツクは、雪が降る日もあるが、 普通は氷点下になるような事は無い。
7月は日中30度近くにもなるので、結構暑いけれど、夜は20度以下になるので、寝苦しい事は無い。
場所によっては、40度近くになる場所もある。

また9月の下旬には、雪が降り始める事もあるとか。

■風

偏西風地帯なので、概ね西〜南西からの風が多く、 たまに北風、東風も吹く事がある。
多い順から、南西、西、南、北、北西、北東、東と言った感じ。
中部では平原が広がり、遮るものが無いので、向かい風になったら大変。

■地形

★イルクーツク〜ノボシビルスク

延々とアップダウンが続き、平らな部分はほぼ無く、MAX標高700m程度。

★ノボシビルスク〜チャリャビンスク

ほぼ平ら。

★チャリャビンスク〜ウファ

ウラル山脈を越える2本のルートがある。
1.チェリャビンスクからウファを経由する「M-5」
2.M-5と並行に走っているエカテリンブルグからペルミを経由する「P-242」。

実際にM-5を走ってみて、アップダウンが多く標高850mまで上がった。

★ウファ〜カザン

平らとアップダウンの繰り返し 場所によっては、傾斜が急な所もあり。

★カザン〜モスクワ〜プストシェカ〜エストニア国境

平らと緩いアップダウンの繰り返し

■悪徳警官

以前は、「ロシアの悪徳警官に賄賂を要求された」とよく聞いたけど、 自分は一度も無く、昔より、警察官の質は良くなっていると思われる。
都市の出入口で検問をしているけれど、止められたのは一度のみ。
ロシア語が通じなかったと言う事もあると思うが、 その時は、何も賄賂も要求されなかった。

■治安

都市部では街を歩いていて、背後を気にするような事は一度も無かった。
モスクワやサンクトペテルブルクでは、スリなどはあるようだけど、 その他の都市部では特に危険を感じる事は無かった。
夜は出歩く事は無かったので不明。


■トラブル
車社会の為、溶接できる車工場(アフト・セルビス)は多い。

溶接はロシア語で「スバルカ」。


数分で溶接してくれる


■その他
モスクワは、交通量が多いので、避けた方が無難。
ただモスクワは見所が多いので、観光したい人は行った方が良いかも。
モスクワを越える場合は以下の通り。

モスクワを中心に3つの環状線があり、 中心から「A-103」「A-107」「A-108」と番号が付けられている。
A-103は通称「ムカッド」と呼ばれ、モスクワ越えをする場合、 一番最短距離だけど、片側5車線あり、交通量が多い。
日本の高速道路のようで、休憩する場所は無いようで、一番手頃なのは、2番目の「A-107」。

以上、観光はする場所が少ないロシアですが、 ひたすら自転車で走り、自分と向き合うのが好きな人にはオススメです。